九州教区社会奉仕部では「2025年平和の祈り」を作成いたしました。それぞれの教会で行われる8月の平和主日の礼拝で用いていただき、九州教区全体で共に平和の祈りを捧げたいと存じます。
2025年 平和の祈り
司式:神さまはこの世界を極めて良いものとして創造し、人間をご自分にかたどって創造してくださいました。今、わたしたちは、すべてのものが神さまの祝福によって存在し、生かされていることを喜び、心から感謝して、共に平和の祈りを合わせます。
会衆:主よ、私たちの祈りを聞いてください。
司式:神さま。今年、日本は戦後80年を迎えています。私たちは先の戦争において、無数の人々の生活や人生、尊い命が失われた悲惨さと悲しみを知っています。また、広島・長崎に人類で初めて投下された核兵器がもたらした甚大な被害や筆舌に尽くしがたい悲劇を知っています。一方、この世界では今もなお、国々が分断し、武力を用いた争いが頻発しています。そこには、老若男女にかかわらず人々の痛みや苦しみ、悲しみがあり、平穏な生活が奪われ、命すら奪われている現実があります。
しかし、神さまは平和の訪れを望まれて「剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない。」と語られました(イザヤ2:4)。神さま、わたしたち人間が自らの罪を知り、悔い改め、あなたの平和の言葉に耳を傾け、それを築くものとなることができますように。
会衆:主よ、私たちの祈りを聞いてください。
司式:神さま。この世界では、国籍、言語、人種、宗教、習慣などの違いゆえにともに生きることができず、敵意をもって対立し、排除しあうことが起こっています。
しかし、私たちの平和であるキリストは「二つのものを一つにし、ご自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し」てくださり(エフェソ2:14)、平和を実現してくださいます。神さま、わたしたち人間が、互いの違いゆえに分裂し、疑いを持つのでなく、互いを理解するために歩み寄り、壁を取り壊し、共に赦しと愛に生きることができますように。
会衆:主よ、私たちの祈りを聞いてください。
司式:神さま。あなたは私たちの社会に、多様な年齢や性別、個性、賜物、価値観をもつ人々を与えてくださり、豊かさを与えてくださっています。しかし、私たちはかえってその違いを認め合うことができず、様々なトラブルや問題が様々な所で生じています。また、格差や不平等ゆえに、社会的な分断が生じています。
しかし、使徒パウロは、「あなた方はキリストの体であり、また、一人一人はその部分です」と語り(1コリント12:27)、人々が違いを持ったまま一つの体となるキリストの教会の姿を示しました。また、主キリストは「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい」との言葉を弟子たちに遺されました(ヨハネ15:12)。神さま、キリストの愛をいただいた私たちが、すべての人を喜び、尊び、ともに生きるものとしてください。
会衆:主よ、私たちの祈りを聞いてください。
司式:神さま。私たち人間はあなたの前にあっては弱く、罪深いものです。あなたの助けと支えなしに、祝福された命を生きることができません。私たちはしばしば生活と人生の中で、耐え難い困難に遭い、苦しみや悲しみを経験するとき、平和の主キリストを心に迎え入れることができません。
しかし、キリストは、弟子たちが鍵をかけて閉ざした家の中に来られ「あなたがたに平和があるように」と言われ、真の平和を回復してくださいました(ヨハネ20:19)。今、平和を求めるすべての人の心にあなたが来てくださって、キリストの平和をお与えください。
会衆:主よ、私たちの祈りを聞いてください。
一同:神さま、この世界と、私たちの社会と、私たちの心に、あなたの平和を与えてください。人間を縛る罪の力から私たちを解放し、十字架にかかったキリストの赦しと愛に感謝し、真の平和を祈り、実現するものとしてください。私たちの主イエス・キリストによって祈ります。アーメン
(九州教区 社会奉仕部)